#5 　ネーミング

保育士の休み、ゆとりづくりの輪郭が
出来上がってきたころ、
サービス名を何にしようか迷っていました。

 

コンセプトは

「あなたの仕事が誰かの休みを支える」

でいこうと決めていたのですが、
なかなかいいのが思いつかず、
仮の名前としてひねり出したのが

 

「ホリデイ（ Holiday） 」

 

 

ちょっと安直かなと恐る恐る
社内ミーティングで発表したら

 

「えーー、旅行会社みたいですやん」

 

「イメージしにくい」

 

「長期休み取る何かみたい」と

ないわ、ないわの大合唱(;´Д｀)

 

ごめんて。
仮って言ったじゃない。
仮って。

 

 

こういう時にわかりやすく
しっくりいかない顔する
社内メンバー「ばたやん」こと川端さん。

 

大阪の南の方の出身で、
プライベートでは「オカン」と
ママ友から言われてるらしいです。

 

豪快なんかなと思って色々言ったら
そこ気にする？みたいな所気にしたりする、
繊細と豪快の間に住む、ばたやん。

 

立場を超えて結構はっきり意見を言ってくれる
貴重な存在ですが今回は特に
全身からないわーが溢れていました。

 

とはいえ何か腹立ってきたので、

「否定するなら代案だして」

と切れ気味に言い放つと
そこから案出しが始まりました。

 

一日単位だから

ショットとかちょっととか
少しとかワンデイとか
助っ人とか
つなぐとか
結（ゆい）とか

 

 

あれやこれや出て
30分くらい過ぎた頃、

ばたやんが、

 

 

「このサービスはいかに参加のハードルを
下げて一人でも多くの保育士に
利用してもらえることが大事です。」と
熱っぽく語ってました。

そしてぼそっと

 

 

 

「ちょこっとほいく」ってどうですか。

 

 

 

 

 

「え、」

「いいやん、それ。」

 

 

 

ちょっとじゃなくて「ちょこっと」
かわいいし、覚えやすい、口コミやすい。
ガッツリじゃないから
やってみようかなと潜在保育士の背中押せる！

 

 

いい！、それ良いっすね！で
社内も大盛り上がり。
私のホリデーなど誰も覚えていません。

 

ばたやんがニヤっと私見て笑うので、
イラっとしましたが
対外的には私が考えたと言ってやろうと思ってます。
#人間が小さすぎる

 

こうしてサービス名

「ちょこっとほいく」が誕生しました。

 

不思議なものでサービスを作り
名前をつけると子どもが生まれたみたいな
気持ちになりました。

 

社内ではいつもこのサービスの説明で
厚生年金会館みたいなホールで

たくさんの保育関係者（1000名くらい）前で
起ち上げに協力してくれた園長に登壇してもらい
パネルディスカッションして

ちょこっとほいくの事例発表やサービス案内をする。

 

来場者であふれる会場を後ろから眺めながら
みんなでガッツポーズをするんだと
いつも言ってます。

 

 

まだ名前しか決まってませんが(笑)

 

 

盛り上がる社内の空気をよそに
その数か月後、
ばたやんがご家族の介護が急遽発生し
色々悩んだ末に退職することとなりました。

 

 

プロジェクトにイライラして私とも
よくぶつかりました。

すごくこのプロジェクトにワクワクしてたし
きっと全力で取り組みたかっただろうと
思います。

 

 

彼女の分までとかは私は言いません。
このサヨナラの意味はもっと後に
そうだったのかと気づくんだと思います。

 

とにかく今は一歩一歩前に進んでいきます。

 

ばたやん、ありがとう。
また会える日を楽しみにしています。

 

#6へ続く