#4 ～絶対無理～

保育士の休みを確保するための
仕組みづくりをあれやこれやと考えては崩し、

また組みなおしている時に、

 

社内の営業メンバーから
とてもお世話になったとある園の主任が
今月いっぱいで退職されると聞かされた。

 

この主任が在籍していた園は、
私がまだ保育園を開拓し始めた頃、
飛び込み訪問で、門前払いを散々食らって心折れた時に
お菓子をご馳走になっていたオアシスのような場所。

 

「高井君、おやつの時にいつも来るね(笑)」

 

15時前にいいペースでやってくる迷惑な私を
笑顔で迎えてくれた大好きだった園長は、
数年後にご病気でこの世を去りました。

園長の葬儀でボロボロに泣く私をみて、

 

「高井さん、ありがとう。」

 

と泣き顔で無理に笑顔を作る主任先生を
今でも思い出します。

 

園長亡き後、この園を現場で引っ張っていた先生は
ご家族の介護を理由に一旦保育を引退することに
なったとの事。

 

お礼をお伝えできる時間もなかったので、
先生が退職された後、
ご挨拶がてらお茶しに行きました。

 

園長の思い出話に花咲いて、
それは楽しいお疲れさん会だったのですが、

 

その時に私が挑戦しようとしている
「ちょこっとほいく」についてお話を聞いてもらい
保育者の立場としてどうですかとご意見伺ったら

 

うーんと言葉を選びながら

 

「高井さんのその話は保育者にとっては
夢みたいな話やね。
もしそんなことができるなら
私は辞めなくても良かったかもしれない。

でも現実的には・・・絶対無理だと思う」

 

そういえば150人保育士インタビューの時も
言われたっけ。

なかなかパンチのあるこの言葉。
先生から言われたこの

 

 

「絶対無理」

 

何かこの言葉で迷いが吹っ切れた。

絶対無理なんてこの世にないって
証明してやるぞ。

根拠のない自信以外は
何にもないおっさんの鼻息が
さらに荒くなるのでした。

 

#5へ続く